E6タンパク質阻害剤としてのタキシフォリンとルシジン:子宮頸癌細胞におけるp53機能の再確立とアポトーシス誘導。

Gomes D, Yaduvanshi S, Silvestre S, Duarte AP, Santos AO, Soares CP, Kumar V, Passarinha L, Sousa Â.
Cancers (Basel). 2022 Jun 8;14(12):2834. doi: 10.3390/cancers14122834.

[概要(翻訳版)]
子宮頸がんは世界の女性の死因の第4位であり、その99%はヒトパピローマウイルス(HPV)感染に関連している。HPV予防ワクチンは、過去に感染した人では治療効果を発揮せず、すべてのHPV型に対するカバー率が低く、発展途上国では利用しにくいことを考えると、HPV関連癌が今後数年で根絶される可能性は低い。そのため、抗HPV薬の開発が新たに必要とされている。HPV E6の発がん性を考慮すると、このタンパク質はがん治療に関連する標的として提案されている。本研究では、HPV陽性細胞(CaskiおよびHeLa)対HPV陰性細胞(C33A)および非発癌性細胞株(NHEK)において、選択した化合物の作用を理解するための生化学的および細胞アッセイと同様に、潜在的なE6阻害剤を発見するためのin silicoツールを採用した。実際、分子ドッキングと分子動力学シミュレーションにより、E6タンパク質のE6AP結合ポケットにドッキングできる3つのフェノール化合物を見出した。特に、ルシジンとタキシフォリンは、E6が介在するp53分解を阻害し、HPV陽性細胞の生存率を選択的に低下させ、アポトーシスを誘導することができた。これらのデータは、抗HPV薬開発のための有望なリード化合物を発見する上で重要である。

[原文:Linked PubMed®]
Taxifolin and Lucidin as Potential E6 Protein Inhibitors: p53 Function Re-Establishment and Apoptosis Induction in Cervical Cancer Cells