肥満誘発性脂肪肝、線維形成、腫瘍形成に対するタキシフォリンの新たな治療可能性

Inoue T, Fu B, Nishio M, Tanaka M, Kato H, Tanaka M, Itoh M, Yamakage H, Ochi K, Ito A, Shiraki Y, Saito S, Ihara M, Nishimura H, Kawamoto A, Inoue S, Saeki K, Enomoto A, Suganami T, Satoh-Asahara N.
Nutrients. 2023 Jan 10;15(2):350. doi: 10.3390/nu15020350.

[概要(翻訳版)]
非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH) の分子病因には、代謝ストレスと炎症刺激の複雑な相互作用が含まれます。 NASH の治療目標を考慮すると、その治療によって NASH から肝細胞癌への進行を防ぐことができるかどうかを判断することが重要です。 ジヒドロケルセチンとしても知られるタキシフォリンは、さまざまな食品や健康補助食品に一般的に含まれる抗酸化作用と抗炎症作用を持つ天然の生理活性フラボノイドです。 この研究では、NASH のマウスモデルにおいて、タキシフォリン治療が脂肪肝、慢性炎症、肝線維症の発症を顕著に予防することを実証しました。 そのメカニズムには、肝細胞に直接作用して脂質の蓄積を阻害することが含まれます。 タキシフォリンはまた、褐色脂肪細胞に対する直接作用と肝臓での線維芽細胞成長因子 21 の産生を介した間接作用という、少なくとも 2 つの異なる経路を通じて褐色脂肪組織の活性を高め、体重増加を抑制しました。 特に、NASH発症後のタキシフォリン治療は肝腫瘍の発症を効果的に予防できる可能性があります。 まとめると、この研究は、タキシフォリンが NASH 連続体の治療に対して多面発現効果を示すという証拠を提供します。 私たちのデータは、安全性の高い健康補助食品として広く使用されているタキシフォリンの新たな作用機序についての洞察も提供します。

[原文:Linked PubMed®]
Novel Therapeutic Potentials of Taxifolin for Obesity-Induced Hepatic Steatosis, Fibrogenesis, and Tumorigenesis.