日本のカラマツLarix kaempferiからのタキシフォリンに富む抽出物の細胞毒性と抗糖化活性
Muramatsu D, Uchiyama H, Kida H, Iwai A.
Heliyon. 2019 Jul 13;5(7):e02047. doi: 10.1016/j.heliyon.2019.e02047. eCollection 2019 Jul.
[概要(翻訳版)]
カラマツ、カラマツ属の植物はタキシフォリン(ジヒドロケルセチン)の天然源として知られており、そのタキシフォリンが豊富な木部の抽出物は、健康維持のための栄養補助食品に使用さる。本研究では、カラマツ、Larix kaempferi(LK-ME)のメタノール抽出物の生物活性を評価するために、細胞生存率、炎症性サイトカイン発現、および糖化に対するLK-MEの影響を調査した。 LK-MEの主な化合物であることが知られているタキシフォリン、およびその関連フラボノイドであるケルセチンとルテオリンの効果も調べた。その結果は、タキシフォリンのインビトロ抗糖化活性がケルセチンおよびルテオリンのそれらに匹敵するレベルで阻害している一方で、タキシフォリンはヒト単球由来細胞株、THP-1細胞において低い成長阻害活性および炎症性サイトカインの少ない誘導活性を示すことを示している。成長阻害、サイトカイン誘導作用、LK-MEの抗糖化作用は、タキシフォリンと同様の性質を持つと考えられている。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析の結果、280 nmの吸光度でLK-MEのメインピークとしてタキシフォリンが検出され、タキシフォリンの濃度は3.12 mg / mlと測定された。 LK-MEの実際のタキシフォリン濃度は、糖化アッセイの結果によって計算されたIC50値から推定された濃度よりも低く、LK-MEに含まれる他の化合物が抗糖化活性に関与していることを示唆している。
[原文:Linked PubMed®]
Cell cytotoxity and anti-glycation activity of taxifolin-rich extract from Japanese larch, Larix kaempferi.