タキシフォリンは黒色腫の増殖/遊走を阻害し、USP18/Rac1/JNK/β-カテニンの発がん性シグナル伝達を妨げます

Xu L, Zhang L, Zhang S, Yang J, Zhu A, Sun J, Kalvakolanu DV, Cong X, Zhang J, Tang J, Guo B.
Phytomedicine. 2023 Nov 8;123:155199. 

[概要(翻訳版)]
背景: 転移性黒色腫は致死的な癌です。 黒色腫患者に対する標的療法や免疫療法は進歩しているにもかかわらず、薬剤耐性と奏効率の低さが大きな課題となっています。 タキシフォリンは、新たな抗腫瘍の可能性を秘めた多機能の天然化合物です。 しかし、黒色腫治療におけるその有用性はまだ不明です。

目的: この研究は、Larix olgensis の根 (中国、長白山) から抽出した精製タキシフォリンの黒色腫に対する効果を調査し、根底にあるメカニズムを調査することを目的としていました。

方法:カラマツの根から精製したタキシフォリンの抗黒色腫効果を in vitro および in vivo 設定で評価しました。 根底にあるメカニズムを調査するために、RNA-seq 分析が実行されました。

結果:カラマツの根からの精製タキシフォリン (> 99 %) は、200 および 400 μM で B16F10 黒色腫細胞の増殖と遊走を阻害し、100 および 200 μM で A375 細胞の増殖と遊走を阻害しました。 60 mg/kg で投与されたタキシフォリンは、重大な毒性を引き起こすことなく、マウス モデルにおいて腫瘍の増殖と転移を抑制しました。 タキシフォリンは、USP18/Rac1/JNK/β-カテニン軸を調節して、その抗腫瘍効果を発揮しました。

結論: これらの発見は、カラマツの根から得られたタキシフォリンが有望な抗黒色腫治療法である可能性があることを示しています。

[原文:Linked PubMed®]
Taxifolin inhibits melanoma proliferation/migration impeding USP18/Rac1/JNK/β-catenin oncogenic signaling