タキシフォリンは、β-カテニンシグナル伝達を介して間葉から上皮への移行を促進することにより、乳癌細胞の増殖、遊走および浸潤を阻害する

Li J, Hu L, Zhou T, Gong X, Jiang R, Li H, Kuang G, Wan J, Li H.
Life Sci. 2019 Sep 1;232:116617. doi: 10.1016/j.lfs.2019.116617. Epub 2019 Jun 29.

[概要(翻訳版)]
目的:増殖と移行とin vitroおよびin vivoで非常に積極的な乳癌の浸潤に及ぼすタキシフォリンの効果と基になるメカニズムを調査する。
主な方法:タキシフォリンの抗腫瘍活性は、MDA-MB-231および4 T1細胞でクリスタルバイオレットアッセイおよびコロニー形成アッセイによって評価された。移動と浸潤に対するタキシフォリンの効果は、それぞれ創傷治癒アッセイとトランスウェルアッセイによって決定された。遺伝子のmRNAおよびタンパク質発現をそれぞれqRT-PCRおよびウエスタンブロットでアッセイし、タンパク質発現および位置も免疫蛍光および免疫組織化学によって検出された。 β-カテニンの過剰発現は、アデノウイルス感染で行われた。 4T1異種移植片を有するBALB / cマウスを用いて、in vivoでの乳がんの成長と転移に対するタキシフォリンの効果を調べた。
主な調査結果:我々は、タキシフォリンが非常に攻撃的な乳癌細胞の増殖、移動および浸潤を用量依存的に阻害する可能性があることを発見した。さらに、タキシフォリンは、乳癌細胞株のEMTマーカーとEMT転写因子によって評価されるように、EMTの逆のプロセスであるMETプロセスを促進した。一方、β-カテニンのタンパク質およびmRNAの発現は、タキシフォリンによって用量依存的にダウンレギュレートされ、アデノウイルスによるβ-カテニンの過剰発現は、上記のタキシフォリンのこれらの有益な効果を無効にした。さらに、4T1異種移植マウスモデル内で、タキシフォリンは原発腫瘍の成長を著しく阻害し、乳癌の肺転移を減少させた。
意義:私たちの調査結果は、非常に積極的な乳がん患者の臨床治療における有望なエージェントとして使用されるタキシフォリンの可能性の理論的基盤を提供するものである。

[原文:Linked PubMed®]
Taxifolin inhibits breast cancer cells proliferation, migration and invasion by promoting mesenchymal to epithelial transition via β-catenin signaling.