タキシフォリンは、アポトーシス、細胞周期の停止、PI3K / AKT / mTOR経路の抑制を誘発することにより、瘢痕細胞癌の増殖を抑制する

Zhou W, Guo ZLMWDCLZL.
J BUON. 2019 Mar-Apr;24(2):853-858.

[概要(翻訳版)]
目的:植物代謝産物は、過去数十年にわたって抗癌剤としてかなりの注目を集めてきた。以前の研究は、タキシフォリンの抗癌剤としての可能性を示している。しかしながら、皮膚瘢痕細胞癌および他のいくつかのタイプの癌に対するタキシフォリンの抗癌活性に関する情報は乏しい。この背景に対して、本研究は、皮膚瘢痕細胞癌細胞株のパネルに対するタキシフォリンの抗癌活性を調査するために設計された。
材料および方法:細胞の増殖速度をMTTアッセイによりモニターした。 DAPIとアネキシンV / PIアッセイは、アポトーシスの誘導を調査するために使用された。フローサイトメトリーを用いて細胞周期分析を行った。トランスウェルアッセイを使用して、癌細胞の浸潤を確認した。
結果:結果は、タキシフォリンが皮膚瘢痕細胞癌細胞株の増殖を阻害することを示した。しかし、抗がん効果はSSCCがん細胞でより深かった(IC50、20 µM)。対照的に、非癌性皮膚細胞に対するタキシフォリンの抗癌効果は最小限であった。さらなる調査により、SSCC細胞に対するタキシフォリンの抗がん効果は、アポトーシスの誘導と細胞周期の停止によるものであることが明らかになった。さらに、タキシフォリンは、瘢痕細胞癌の治療におけるタキシフォリンの可能性を示すMMP-2およびMMP-9発現のダウンレギュレーションに関連したSSCC細胞の侵入を阻害する可能性もある。
結論:タキシフォリンはアポトーシスと細胞周期停止を引き起こすことにより皮膚瘢痕細胞癌の成長を抑制し、また細胞浸潤能も抑制したことが判明したため、この研究はタキシフォリンの抗癌性の可能性に関するさらなる調査を保証するものである。

[原文:Linked PubMed®]
Taxifolin inhibits the scar cell carcinoma growth by inducing apoptosis, cell cycle arrest and suppression of PI3K/AKT/mTOR pathway.