ブタ腸上皮細胞におけるデオキシニバレノール誘発性損傷に対するタキシフォリンの緩和効果
Zhu M, Fang Y, Cheng Y, Xu E, Zhang Y, Zhai Z.
Vet Sci. 2024 Mar 30;11(4):156. doi: 10.3390/vetsci11040156.
[概要(翻訳版)]
飼料中のデオキシニバレノール(DON)汚染は、動物と人間の健康を深刻に脅かす世界的な懸念事項です。タキシフォリン(TA)は、ポリフェノールの一種である天然のフラボノイドで、強力な抗酸化作用を持っています。この研究は、ブタ腸上皮細胞(IPEC-J2)のDON誘発性損傷に対するTAの効果を調査することを目的としています。細胞を一連の濃度のTAで24時間プレインキュベートし、さらに24時間DON(0.5μg/mL)に曝露しました。その結果、TA(150 μM)による前処理により、DONによる細胞生存率の低下(p < 0.05)および細胞増殖の低下(p < 0.01)が有意に抑制されることが示されました。さらに、150 μM TAはDON誘導性アポトーシスも緩和しました(p < 0.01)。さらに、TAはDONによって誘導される活性酸素種(ROS)の産生を減少させた(p < 0.01)。さらに、TAはDON誘発性細胞接合部損傷を弱毒化しました(p < 0.05)。さらなる実験により、TAは、おそらくNrf2シグナル伝達経路の活性化を介して、IPEC-J2細胞におけるDON誘発性の抗酸化能の低下を逆転させることが示されました(p < 0.05)。これらの知見を総合すると、150 μM TAは、Nrf2シグナル伝達経路の活性化を介して、IPEC-J2細胞への0.5 μg/mLのDON誘発性損傷から保護できる可能性があることを示唆しています。この研究は、養豚業界におけるグリーン飼料添加物として作用するTAの可能性と、DON誘発性腸障害に対抗するTAの有効性に関する洞察を提供します。
[原文:Linked PubMed®]
The Alleviating Effect of Taxifolin on Deoxynivalenol-Induced Damage in Porcine Intestinal Epithelial Cells