PI3K/AKTシグナル伝達経路を介したタキシフォリンによるメラノーマ細胞のアポトーシスの促進:WGCNAおよびCMAPプラットフォームを用いた天然物のスクリーニング

Wang Y, Chen SJ, Ma T, Long Q, Chen L, Xu KX, Cao Y.
Int Immunopharmacol. 2024 Sep 10;138:112517. doi: 10.1016/j.intimp.2024.112517. Epub 2024 Jun 25.

[概要(翻訳版)]
黒色腫は、メラノサイトに由来する皮膚がんです。メラノーマの世界的な発生率は急速に増加しており、公衆衛生上の大きな課題となっています。この増大する問題に対処するためには、効果的な治療薬を特定することが重要です。天然物は有望な抗腫瘍活性を示しています。この研究では、植物フラボノイドであるタキシフォリンを、WGCNA(Weighted Correlation Network Analysis)とConnectivity Map(CMAP)プラットフォームを組み合わせてスクリーニングしました。タキシフォリンは、アポトーシスを促進することにより、メラノーマA375およびMV-3細胞の増殖、遊走、および浸潤能力を阻害することが確認されました。さらに、メラノーマ細胞の上皮間葉転換(EMT)プロセスを抑制しました。サイバー薬理学的分析により、タキシフォリンはPI3K / AKTシグナル伝達経路を介して、特にp-PI3Kおよびp-AKTのタンパク質発現をダウンレギュレートすることにより、メラノーマに対して阻害効果を発揮することが明らかになりました。特に、PI3K/AKTシグナル伝達経路の活性化因子であるSC-79の追加により、タキシフォリンが細胞遊走とアポトーシスに及ぼす影響が逆転しました。さらに、in vivo実験では、タキシフォリン治療がマウスの腫瘍増殖を遅らせ、重大な毒性作用を伴わないことが実証されました。これらの知見に基づくと、タキシフォリンはメラノーマ治療薬として有望視されています。

[原文:Linked PubMed®]
Promotion of apoptosis in melanoma cells by taxifolin through the PI3K/AKT signaling pathway: Screening of natural products using WGCNA and CMAP platforms.