ジヒドロケルセチンとフコイジンは電離放射線照射後のラット大動脈におけるアンジオテンシン変換酵素活性の増加を阻害する
Korystova AF, Kublik LN, Kim YA, Levitman MK, Shaposhnikova VV, Korystov YN.
Bull Exp Biol Med. 2018 Jul;165(3):360-363. doi: 10.1007/s10517-018-4170-2. Epub 2018 Jul 12.
[概要(翻訳版)]
電離放射線の分割照射後のラット大動脈におけるアンギオテンシン変換酵素活性の経時変化と、これに対するジヒドロケルセチンとフコイジンの効果を調べた。雄のウィスター系ラットに、200 GVで2.5 Gyの線量の単一または反復(分割)X線放射線を照射した。大動脈セグメントにおけるアンジオテンシン変換酵素の活性は、曝露の2時間後にヒプリル-ヒスチジンロイシン基質の加水分解によって評価した。ラット大動脈のアンジオテンシン変換酵素活性は、電離放射線被ばく後2.5 Gy (1分後)で通常よりも高く、7.5 Gy(3分数)の合計線量後に最大になった。内皮への白血球が接着する為の内皮受容体遮断薬であるフコイジン、および内皮における接着分子の発現を阻害するフラボノイドジヒドロケルセチンは、電離放射線曝露後のラット大動脈におけるアンギオテンシン変換酵素の活性の増加を抑制した。さらに、ジヒドロケルセチンは分割暴露の影響を大幅に低減した。これらのデータは、内皮への白血球の接着が、大動脈におけるアンギオテンシン変換酵素活性の増加に寄与する重要な要因であることを示している。
[原文:Linked PubMed®]
original:Dihydroquercetin and Fucoidin Inhibit the Increase of Angiotensin-Converting Enzyme Activity in the Rat Aorta after Irradiation.