ウイルス性膵炎のモデルにおけるコクサッキーウイルスB4に対するLarix sibiricaからのフラボノイドであるジヒドロケルセチン(タキシフォリン)のウイルス阻害活性

Galochkina AV, Anikin VB, Babkin VA, Ostrouhova LA, Zarubaev VV.
Arch Virol. 2016 Apr;161(4):929-38. doi: 10.1007/s00705-016-2749-3. Epub 2016 Jan 18.

[概要(翻訳版)]
Picornaviridae科のメンバー、特にエンテロウイルスは、人間の健康に対する深刻な脅威である。彼らは、軽度の疾患から致命的な結果に至るまで、多くの病理の原因となっている。エンテロウイルスに対する安全で効果的な抗ウイルス剤の数は限られているため、エンテロウイルスによって誘発される病状に対するさまざまな作用機序を備えた新規薬剤の探索と開発が必要である。コクサッキーウイルスB4(CVB4)によって引き起こされる白いマウスの膵炎の過程で、カラマツ由来のフラボノイドであるジヒドロケルセチン(DHQ)の効果を調べた。 DHQは、75または150 mg / kg /日の用量で、1日1回、感染後5日間(p.i。)、1日目の腹腔内に腹腔内投与し、その効果を参照化合物リバビリンのそれと比較した。 DHQの適用により、膵臓組織のウイルス力価が用量依存的に低下し、最高用量では、5日目の午後に2.4 logに達した。また、DHQの適用は、膵炎の過程で損なわれた膵臓組織の抗酸化活性の回復をもたらした。形態学的に、DHQ処理された動物の膵臓組織は、プラセボ処理されたマウスと比較して、炎症性細胞の浸潤が少なく、組織破壊の兆候がないことを示した。リバビリンとDHQの両方で処理された動物は、マウスあたりの膵臓炎症の病巣が少なくなり、これらの病巣にはプラセボで処理されたマウスよりも浸潤細胞が少なかった。 DHQの効果はリバビリンの効果に匹敵するか、それを上回っていた。
まとめとして、私たちの結果は、DHQの高い抗ウイルス活性とウイルス性膵炎の複雑な治療におけるその有望な可能性を示唆している。

[原文:Linked PubMed®]
original:Virus-inhibiting activity of dihydroquercetin, a flavonoid from Larix sibirica, against coxsackievirus B4 in a model of viral pancreatitis.