タキシフォリンは雄ラット胎生期のフタル酸ジ-n-ブチルによる精巣発達毒性を減弱させる

Li Z, Yu Y, Li Y, Ma F, Fang Y, Ni C, Wu K, Pan P, Ge RS.
Food Chem Toxicol. 2020 Aug;142:111482. doi: 10.1016/j.fct.2020.111482. Epub 2020 Jun 7.

[概要(翻訳版)]
フタル酸ジ-n-ブチル(DBP)は、可塑剤として消費者向け製品に広く使用されています。ここでは、DBPの発達毒性および生殖毒性を減弱させる天然物であるタキシフォリンについて報告する。妊娠ラットに妊娠12-21日目から毎日500 mg/kg DBP単独またはタキシフォリン(10および20 mg/kg)と共に経口投与した。GD21で、雄胎児の血清と精巣を採取した。DBPは500 mg/kgで血清テストステロン値を有意に低下させ、タキシフォリンはその作用を完全に逆転させることができる。DBP は胎児ライディッヒ細胞の異常な凝集を引き起こし、タキシフォリンはそれを逆転させることができる。DBP は、コレステロール側鎖切断酵素(Cyp11a1)、17β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素 3(Hsd17b3)、インスリン様 3(Insl3)の遺伝子の発現を低下させ、タキシフォリンはその作用を回復させることが可能であった。DBP はマロンジアルデヒドレベルを上昇させ、スーパーオキシドジスムターゼとグルタチオンペルオキシダーゼの発現を減少させ、タキシフォリンはその作用を逆転させることができる。DBP は多核性 gonocyte の発生率を増加させ、タキシフォリンはそれを防止することができる。さらに、DBPはサーチュイン1(SIRT1)/ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体γコアクチベーター1-α(PGC-1α)およびリン酸化AMP活性化タンパク質キナーゼ(pAMPK)シグナルを低下させ、タキシフォリンはDBPと拮抗することが示された。結論として、DBP の子宮内曝露は、活性酸素の増加を介して雄性子孫の発育・生殖毒性を引き起こし、タキシフォリンは DBP を介した作用を完全に逆転させる有効な食品成分であることが明らかになった。

[原文:Linked PubMed®]
Taxifolin attenuates the developmental testicular toxicity induced by di-n-butyl phthalate in fetal male rats