実験的精巣虚血再灌流障害に対するタキシフォリンの効果について。生化学的および病理組織学的解析
Bedir F, Kocaturk H, Ozgeris FB, Yazici GN, Suleyman Z, Suleyman H.Rev Int Androl.
2022 Jan-Mar;20(1):17-23. doi: 10.1016/j.androl.2020.05.008. Epub 2021 Jan 31.
[概要(翻訳版)]
目的:本研究の目的は、強力な抗酸化物質であるタキシフォリン(3,5,7,3,4-pentahydroxy flavanone)のラットの精巣 I/R 損傷に対する保護効果を生化学的および病理組織学的に検討することである。
材料と方法:タキシフォリン50mg/kgをアルビノWistar雄ラットのタキシフォリン+精巣捻転-剥離(TTTD、n-10)群に経口投与した。精巣捻転誘発群(TTD、n-10)およびHealthy Control(SG、n-10)群には、溶媒として蒸留水0.5mlを同様の方法で投与した。タキシフォリンと蒸留水の投与から1時間後に、全動物群に麻酔(ケタミン60mg/kg)を投与した。TTD群およびTTTD群の動物には、麻酔中に4時間、720度の精巣捻転を行った。この期間終了後、精巣剥離を施し、4時間灌流させた。SG群にはSham手術を施した。結果:生化学実験の結果、TTD群の精巣組織のマロンジアルデヒド(MDA)量はSG群およびTTTD群に比べ有意に増加し、総グルタチオン(tGSH)およびスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)量は減少していた。また、TTD群では生殖上皮細胞および精細管に重度の病理組織学的損傷が認められたが、TTTD群では軽度の損傷であった。
結論:実験の結果、タキシフォリンは精巣 I/R 障害の治療に有用であることが示唆された。
[原文:Linked PubMed®]
The effect of taxifolin on experimental testicular ischaemia reperfusion injury in rats. A biochemical and histopathological analysis.