タキシフォリンは、Nrf2シグナル経路を刺激することにより、ベンゾ[a]ピレン誘発の肺障害を改善する可能性がある
Islam J, Shree A, Vafa A, Afzal SM, Sultana S.
Int Immunopharmacol. 2021 Jul;96:107566. doi: 10.1016/j.intimp.2021.107566. Epub 2021 Apr 1.
[概要(翻訳版)]
環境汚染物質であり、変異原でもあるベンゾ[a]ピレンは、タバコの煙や自動車の排気粒子などに広く含まれています。本研究では、様々な抗酸化パラメータ、炎症マーカー、フェーズII酵素の活性/レベル、および肺組織学を分析することにより、雄のスイスアルビノマウスにおけるB[a]P誘導肺損傷に対するタキシフォリンの保護効果を明らかにした。タキシフォリンを20または40mg/kg体重で14日間経口投与し、14日目にB[a]P(125mg/kg体重)を単回経口投与した。その結果、B[a]P投与により、CYP450R、EH、炎症性タンパク質、過酸化脂質の活性が上昇し、抗酸化物質の活性が低下する一方、Taxifolin投与により改善されることが明らかとなった。B[a]Pの投与は、活性酸素感受性因子Nrf2とその下流の標的NQO1、HO-1、SODの発現低下も引き起こすが、Taxifolin投与動物はNrf2、NQO1、HO-1、SODの非常に高い発現量を示している。Nrf2は、酸化ストレスに対する抵抗性を提供し、NF-κBを阻害することによって炎症を抑制する中心的な役割を果たすので、タキシフォリンは、おそらくNrf2シグナル伝達経路を刺激することによってB[a]P誘導肺損傷における酸化ストレスと炎症を抑制すると結論付けられた。
[原文:Linked PubMed®]
Taxifolin ameliorates Benzo[a]pyrene-induced lung injury possibly via stimulating the Nrf2 signalling pathway