タキシフォリンの安定性 HPLC-UV/UPLC-ESI-MSモニタリングによるインシリコ予測およびin vitro分解
Stenger Moura FC, Dos Santos Machado CL, Reisdorfer Paula F, Garcia Couto A, Ricci M, Cechinel-Filho V, Bonomini TJ, Sandjo LP, Bellé Bresolin TM.
J Pharm Anal. 2021 Apr;11(2):232-240. doi: 10.1016/j.jpha.2020.06.008. Epub 2020 Jul 6.
[概要(翻訳版)]
タキシフォリンには多くの治療効果があり、現在、カラマツの幹皮から単離されています。タキシフォリンは、サプリメントや抗酸化作用のある機能性食品に使用されるフラボノイドで、商業的にも高い関心を持たれています。しかし、フラボノイドは安定性が低く、生物学的利用能が低いため、栄養剤や医薬品として利用することは困難である。本研究では、Mimusops balataの種子から単離されたタキシフォリンについて、in silico安定性予測試験およびin vitro強制分解試験(酸およびアルカリ加水分解、酸化、可視/紫外線照射、乾燥/湿熱)を紫外線検出付き高速液体クロマトグラフィー(HPLC-UV)および超高速液体クロマトグラフィー-電子スプレーイオン化-質量分析(UPLC-ESI-MS)でモニターし評価しました。in silico安定性予測研究により,分子内の求核攻撃および求電子攻撃に対して最も感受性が高い領域と,酸化されやすい部位が示された。in vitro強制分解試験はin silico安定性予測と一致し、タキシフォリンはアルカリ加水分解に対して極めて不安定(クラス1)であることが示された。また、タキシフォリンの熱劣化は湿度によって増加した。一方,光感受性に関しては,タキシフォリンはクラス4(安定)に分類される。さらに、アルカリ分解生成物はUPLC-ESI-MS/MSによりタキシフォリンの二量体として特性評価された。これらの結果は、タキシフォリンの本質的な不安定性を理解することを可能にし、その安定性を維持し、バイオアベイラビリティを向上させることを目的とした安定性表示方法および適切な薬物放出システムの開発に寄与するものである。
[原文:Linked PubMed®]
Taxifolin stability: In silico prediction and in vitro degradation with HPLC-UV/UPLC-ESI-MS monitoring