新規食品タキシフォリンは、NF-κBを介した炎症およびPI3K/Aktシグナル経路を調節することにより、マウスの急性アルコール誘発肝損傷を減弱させる
Ding C, Zhao Y, Chen X, Zheng Y, Liu W, Liu X.
Pharm Biol. 2021 Dec;59(1):868-879. doi: 10.1080/13880209.2021.1942504.
[概要(翻訳版)]
背景:タキシフォリン(TAX)は、有効な抗炎症作用、抗酸化作用、肝保護作用を有するが、その潜在的な機序は明らかにされていない。目的:急性アルコール性肝障害に対する TAX の保護作用の可能性を評価すること。
材料と方法:アルコール性肝障害モデルを確立し、マウスにアルコールを経口投与し、無作為に5群(n = 10)に分けた。通常群(生理食塩水のみ);アルコール群(発酵アルコール濃度56%、6mL/kg);TAX群、マウスにアルコールを経口投与した後、TAXをそれぞれ20、40、80mg/kgの用量で経口投与した。経口投与は6週間行った。
結果:TAX投与により、アルコール投与群に比べ、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)が65.90±2.26U/Lに、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)が33.28±5.62U/Lに減少することが示された(ALT124. 51 ± 4.40 U/L、AST 61.70 ± 4.09 U/L)、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)は 49.81 ± 2.39 U/mg、グルタチオン(GSH)は 8.16 ± 0.44 μmol/gに増加したが、MDAは 2.53 ± 0.24 nmol/mgに逆転している。病理組織学的検査では、TAX処理はアルコール誘発肝細胞の壊死と炎症性浸潤を緩和することが示された。一方、ウェスタンブロットとrt-PCRにより、TAXはIL-6を2.49 ± 0.25 pg/mLに、TNF-αを1.79 ± 0.20 pg/mLに減らし、肝臓でのNF-κB活性化を抑制することが示された。さらに、TAXは、PI3K/Aktおよびその下流のアポトーシス因子の発現を調節することにより、アルコール誘発のアポトーシスを逆転させた。
結論:本研究は、アルコール誘発性肝障害に対するタキシフォリンの肝保護効果に関する新しい証拠を提供すると同時に、将来のアルコール性肝疾患の治療への可能性を提供するものである。
[原文:Linked PubMed®]
Taxifolin, a novel food, attenuates acute alcohol-induced liver injury in mice through regulating the NF-κB-mediated inflammation and PI3K/Akt signalling pathways