アクリルアミドによる腎障害に対するタキシフォリンの保護効果

Bedir F, Kocatürk H, Yapanoğlu T, Gürsul C, Arslan R, Mammadov R, Çoban A, Altuner D, Suleyman H.
Biomed Pharmacother. 2021 Jul;139:111660. doi: 10.1016/j.biopha.2021.111660. Epub 2021 May 11.

[概要(翻訳版)]
本研究では、アクリルアミドによる腎障害に対するタキシフォリンの生化学的および病理組織学的効果を検討した。アルビノWistar雄ラットからなるタキシフォリン+アクリルアミド(TACR)群(n-6)に、タキシフォリン50 mg/kgを経口ガベージで投与した。アクリルアミド(ACR)群(n-6)および健康(HG)群(n-6)には、溶媒として用いた蒸留水と同量を経口投与した。タキシフォリンと蒸留水投与の1時間後に、アクリルアミド20 mg/kgをTACR群およびACR群に経口投与した。この操作を1日1回、30日間繰り返した。アクリルアミド群では、マロンジアルデヒド(MDA)、腫瘍壊死因子α(TNF-α)、インターロイキン-1β(IL-1β)値が高く、総グルタチオン(tGSH)値が低く、重度の間質性出血が認められ、さらに、尿細管壊死、管状萎縮、白血球浸潤、ボーマン腔が拡大した糸球体構造も確認されました。アクリルアミドに伴うMDA、IL-1β、TNF-αの増加およびtGSHの減少が抑制されたタキシフォリン群では、軽度の壊死と尿細管の萎縮以外の病理組織学的所見は認められなかった。このことから、タキシフォリンはアクリルアミドによる腎障害を予防し、アクリルアミドに起因するMDA、IL-1β、TNF-αの上昇を抑制し、tGSHを低下させるアクリルアミドによる腎毒性の治療に有効であることが示唆された。

[原文:Linked PubMed®]
Protective effect of taxifolin against prooxidant and proinflammatory kidney damage associated with acrylamide in rats