高用量シスプラチン誘発酸化的肝障害に対するタキシフォリンの効果について

Kurt N, Türkeri ÖN, Suleyman B, Bakan N.
Adv Clin Exp Med. 2021 Oct;30(10):1025-1030. doi: 10.17219/acem/138318

[概要(翻訳版)]
背景:シスプラチンは非特異的白金系(誘導体)化学療法剤であり、肝臓でフリーラジカル活性の上昇を引き起こす。タキシフォリンの抗酸化活性は以前から実証されており、実験的研究においてタキシフォリンがヒドロキシル、ラジカルを抑制することが報告されている。

目的:現在の文献では、シスプラチン誘発の酸化的肝障害に対するタキシフォリンの保護効果を検討した研究は見つかっていない。我々は、実験的研究において、シスプラチン誘発性肝障害に対するタキシフォリンの保護効果を明らかにすることを目的とした。

材料と方法:合計18匹のアルビノWistar雄ラットを、健常対照群(HC群)、シスプラチン5 mg/kgを8日間投与した群(CIS群)、タキシフォリン50 mg/kg+シスプラチン5 mg/kgを8日間投与した群(TCG群)の3群に割り当てた。抽出した肝組織中のマロンジアルデヒド(MDA)、総グルタチオン(tGSH)、総オキシダント(TOS)、総抗酸化能(TAS)レベルを測定した。

結果:肝組織のMDAとTOSレベルは、CIS群で有意に高かった。一方、シスプラチン単独投与のCIS群では、tGSHおよびTASレベルが他の群に比べ有意に低かった(p < 0.001)。シスプラチン+タキシフォリン投与のTCG群では、CIS群と比較して、MDA値およびTOS値が有意に低下し、tGSH値およびTAS値が有意に上昇した(p<0.001)。

結論:これらの結果は、タキシフォリンがシスプラチン関連肝障害の予防に有用であることを示唆している。

[原文:Linked PubMed®]
The effect of taxifolin on high-dose-cisplatin-induced oxidative liver injury in rats