ジヒドロケルセチン(タキシフォリン)のサプリメントは腸内細菌叢の改善を介して大腸の炎症を軽減する可能性がある

Wan F, Han H, Zhong R, Wang M, Tang S, Zhang S, Hou F, Yi B, Zhang H
Food Funct. 2021 Nov 15;12(22):11420-11434. doi: 10.1039/d1fo01422f

[概要(翻訳版)]
本研究の目的は、マウスのデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発性大腸炎に対する食餌性ジヒドロケルセチン(DHQ)(タキシフォリン)補給の効果を検討することである。マウスには、DSS投与の14日前から1週間、その後2日間はDSSを投与せずに、試験期間中DHQ補給(3 g kg-1)を行いました。その結果、食餌性DHQ補給は、DSS誘発の疾患活動指数(DAI)、結腸長および結腸組織の病理組織学的スコアを回復させることが示された。さらに、DHQの補給は、炎症性サイトカインレベルを低下させ、血清中のIL-10レベルを高めた。qPCRの結果は、DHQ補給がIL-1β、IL-6、TNF-αを著しく抑制し、IL-10遺伝子mRNA発現を上昇させることを示唆した。ウェスタンブロットの結果、DHQの補給はZO-1とオクルーディンのレベルをアップレギュレートすることが証明された。アンプリコンシークエンス技術を用いた16S rRNAの配列決定の結果、DHQの補給は、糞便中のファーミキューテス/バクテロイデス比とラクトバチルスおよびデュボシエラの相対量を増加させ、バクテロイデスの相対量を減少させることが示された。さらに、DHQの補充は、DSS誘発大腸炎マウスの糞便酢酸および酪酸濃度の減少を回復させた。さらに、Spearmanの相関分析により、Dubosiellaは酪酸濃度と、BacteroidetesはIL-1βおよびIL-6のmRNA発現と正の相関があることが示された。LactobacillusとDubosiellaはともにIL-1β、IL-6、TNF-αのmRNA発現と負の相関を示し、DubosiellaはIL-10と正の相関を示した。以上のことから、DHQの補給はDSS誘発性大腸炎を緩和し、それはマウスの糞便微生物叢の変化と潜在的に関連している可能性があることがわかった。

[原文:Linked PubMed®]
Dihydroquercetin supplement alleviates colonic inflammation potentially through improved gut microbiota community in mice