培養L6筋管および高血糖・高尿酸血症を伴う2型糖尿病モデルマウスKK-A y/Taにおけるタキシフォリンの抗糖尿病作用について

Kondo S, Adachi SI, Yoshizawa F, Yagasaki K
Curr Issues Mol Biol. 2021 Sep 26;43(3):1293-1306. doi: 10.3390/cimb43030092

[概要(翻訳版)]
筋肉は私たちの体の中で最も大きな組織であり、グルコースのホメオスタシス、ひいては糖尿病に重要な役割を担っています。本研究では、培養L6筋細胞(筋管)および2型糖尿病(T2D)モデルマウスKK-Ay/Taにおいて、タキシフォリン(TXF)のグルコース代謝に対する効果を検討した。TXFはインスリン非存在下でL6筋管におけるグルコース取り込み量(GU)を用量依存的に増加させた。このグルコース摂取量の増加は、プロテインキナーゼB(Akt)をリン酸化するホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)阻害剤であるLY294002または5′-アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)阻害剤であるCompound CとTXFを組み合わせて処理すると一部だが有意に打ち消されることが確認された。さらに、TXFはAktとAMPKの両方を活性化(=リン酸化)し、PI3K/AktとAMPKの両方のシグナル伝達経路を介してL6筋管の細胞質から細胞膜へのグルコーストランスポーター4(GLUT4)のトランスロケーションを促進することが明らかにされた。これらのin vitroの知見に基づき、高血糖と高尿酸血症を有するKK-Ay/Taマウスを用いたin vivoの実験を行ったところ、高血糖と高尿酸血症が同時に発生することが確認された。T2Dモデルマウスでは、空腹時血糖値、インスリン値、尿酸値、インスリン抵抗性の指標(HOMA-IR)が正常マウスと比較して有意に上昇した。T2D状態でのこのような上昇は、TXFの4週間の経口投与により有意に抑制された。これらの結果は、タキシフォリンがT2D状態において強力な抗高血糖および抗高尿酸のファイトケミカルであることを示唆している。

[原文:Linked PubMed®]
Antidiabetic Effect of Taxifolin in Cultured L6 Myotubes and Type 2 Diabetic Model KK-A y/Ta Mice with Hyperglycemia and Hyperuricemia