骨芽細胞様細胞の生存率およびミネラル化マーカーに対するタキシフォリンの用量および時間依存性効果
Massunari L, Rabelo RL, Leite ML, Soares DG, Anovazzi G, Costa CAS, Duque C
Braz Oral Res. 2021 Dec 17;35:e140. doi: 10.1590/1807-3107bor-2021.vol35.0140. eCollection 2021
[概要(翻訳版)]
本研究では、細胞毒性を起こさずに歯周病治癒を誘導できる新しい歯内療法材料の探索の一環として、骨芽細胞様細胞の生存率および初期ミネラル化マーカーの発現に及ぼすタキシフォリン処理の影響を評価した。Saos-2骨芽細胞様細胞を、前処理として24時間および72時間、あるいは実験プロトコール中継続的に、異なる濃度のタキシフォリン(5および10 µM)に暴露した。メチルチアゾール・テトラゾリウム(MTT)アッセイによる細胞生存率、チモルフタレインモノフォスフェートアッセイによるアルカリフォスファターゼ活性、アリザリンレッド染色による鉱化結節の堆積、qPCRによるALPおよびCOL-1の発現が、処置6日後および13日後に測定された。データは統計的に分析された(p<0.05)。タキシフォリンは、試験した濃度では細胞毒性を示さなかった。タキシフォリンを10μMで24時間および72時間前処理すると、ALP活性が刺激され、Saos-2細胞による鉱化結節沈着が増加した。タキシフォリンによる継続的な処理は、ALP活性および無機化を刺激する効果はなかった。ALPおよびCOL-1遺伝子の発現は,タキシフォリン前処理により増加し,最も高いmRNAレベルは,13日目に10 μMのタキシフォリンで72時間前処理した後に観察された。以上のことから、タキシフォリンは細胞適合性があり、骨芽細胞様細胞培養に短期間適用することで鉱化マーカーを誘導することが明らかとなった。
[原文:Linked PubMed®]
Dose- and time-dependent effects of taxifolin on viability and mineralization markers of osteoblast-like cells