シクロホスファミド誘発の酸化性および炎症性膀胱障害に対するタキシフォリンの効果について
Akbaş N, Suleyman B, Mammadov R, Yazici GN, Bulut S, Süleyman H.
Exp Anim. 2022 May 25. doi: 10.1538/expanim.22-0030. Online ahead of print.
[概要(翻訳版)]
シクロホスファミド関連副作用の病態における酸化ストレスと炎症の役割は、これまでの研究で明らかにされている。本研究では、アルビノWistarラットのシクロホスファミド誘発性酸化および炎症性膀胱損傷に対する、抗酸化および抗炎症作用によるタキシフォリンの効果を検討することを目的とした。タキシフォリン+シクロホスファミド(TCYC)群には、タキシフォリン50 mg/kgを経口投与した。シクロホスファミド(CYC)群および健常対照(HC)群には、溶媒として通常生理食塩水を使用した。タキシフォリン投与1時間後に、TCYC群とCYC群にシクロホスファミド75mg/kgを腹腔内注射した。この操作を1日1回、30日間繰り返した。この期間終了後、摘出した膀胱組織の生化学マーカーを調べ、病理組織学的評価を行った。CYC群の病理組織学的評価では、重度の上皮の不整、拡張、鬱血、血管構造における多形核白血球の集積が観察された。また、CYC群では、MDA、TNF-α、IL-1β、IL-6、TOS、OSIが有意に高く、TGSH、TASが有意に低かった(P<0.001)。タキシフォリンは,シクロホスファミドによるMDA,TNF-α,IL-1β,IL-6値の上昇,TOS,OSI値を低下させ,tGSH,TAS値を低下させ,病理組織学的損傷を軽減した(P<0.001).タキシフォリンは、シクロホスファミドによる膀胱障害の治療に有用であると考えられる。
[原文:Linked PubMed®]
Effect of taxifolin on cyclophosphamide-induced oxidative and inflammatory bladder injury in rats